車海老について
車エビについて

- クルマエビの生態
- エビの消費量について
- 沖縄県、実は生産高日本一。
- 池の色について
- ウィールス対策に海洋深層水
- 沖縄には天然の車えびはいない!?
- クルマエビの分類的位置
- 何故クルマエビがおがくずの中で生きていられるのか?
- クルマエビとブラックタイガーの違いについて
- クルマエビの成分表 (可食部 100g 当たり)
- クルマエビの成長過程
クルマエビの生態
和名 クルマエビ(車海老)
学名 Marsupenaeus japonicus
英語名 Japanese tiger prawn
内湾の水深15~25メートルほどの砂泥地に住み、夜行性で昼は砂泥の中に潜っており
夜になると泳ぎ出て貝類やゴカイなどを捕食します。
産卵は5月から10月にかけて夜間遊泳しながらおこなわれます。
寿命は2~3年で体調は最大25~30センチに達します。
名前の由来は丸まったとき体の模様が車輪に似ていることからきているようです。
エビの消費量について
日本人はえび好きで有名ですが、食べているのは輸入物がほとんどです。
世界中で輸出されているエビのおよそ30%が日本にきているそうです。世界一のエビ輸入国といわれています。
輸入物の大体が冷凍のブラックタイガーだと思われます。
エビの消費量は次の様になっています。
漁業生産 27,000トン
養殖 2,000トン
輸入 280,000トン
合計 310,000トン
あまり知られていませんが、沖縄県はクルマエビの生産量は日本一です。
おそらく県内でも知っている人は少ないことでしょう。
平成15年の生産量の平均は以下のとうりです。
全国 1,824t
沖縄 644t(約35%)
鹿児島 584t
熊本 299t
となっており全国で生産されている車えびが約1,824tですからですから、
約35パーセントが沖縄産ということです。
だから何?と言われそうですが、まー知らないよりは知っておいた方が
いいんじゃないかと思い書いておきました。
池の色について
えびが棲んでいる池には常時海水を注水しているのですが、見た目にはすごく濁っています。
知らない人が見るとすごく汚く沼の様に見えるかも知れません。
でもそれはプランクトンが発生しているからです。
逆にプランクトンがいなくて透明なきれいな池だと、見た目にはいいのですが
エビにとってはかなりストレスになりあまり良くありません。
だから私達は池の色にかなり注意をはらって見ています。
池の色は調子によってさまざまな色に変化します、赤っぽかったり、どす黒かったり日々変化していきます。
池の担当によっても好きな色というかエビによさそうな色があり、今日の色はいいよー、とかおまえの池の色はいまいちだとか、そんなよけいなおせわだろと言いたくなるようおな事も多々あります。
もしみなさんがどこか養殖場を見学する機会があれば、汚い沼みたいだなーとか思わず、
んーこれはかなりいいプランクトンがいるなーなんて想像してみると池の見え方も変わってくることでしょう。
人間と同じ様にクルマエビもインフルエンザの様にウィールスが発生します。
ウィールスが発生するとどんどんエビが死んでしまい止められません。
原因は色々有るのですが、1番は海外から稚エビや、親エビを購入した際に、
その親エビがもともと持っているものや、稚エビが持っている物が、池の中で
爆発的に広がって行くので、私達は海外からの砂やその他色々な物に敏感になります。
例えば養殖池に砂を入れる場合でも、砂の販売業者にどこからとってきた砂なのか
確認します、もし海外産なら安くても購入しません。
なので現在沖縄県のクルマエビ養殖場では組合を造り、補助事業として久米島に
海洋深層水で稚エビを作る、沖縄県車海老漁業協同組合 海洋深層水種苗供給センターがあります。
これによって少しでもウィールスの出にくい環境を作っています。
しかしウィールスはどこから入ってくるか分からないのでやはり毎日気が抜けません。
沖縄には天然の車えびがいない?! なぜ!?
沖縄で車えびの養殖が始まって30年以上たち、生産量は県別1位になっています。
これまで池からの逃亡や、台風での事故で数1000万尾の車えびが海へ放たれています。
しかしこれを親として天然での繁殖が繰り返され、沖縄周辺の海域に
車えびが増えそうですが、そういった事実はほとんどありません。
幾つかの養殖場で台風の大波や高水位で堤防や池壁を越えて海水がドット流れ込み、
数100万の車えびが海へ持ち去られた事実が何回もありました。
某養殖場の例では直径1メートル以上もする南洋材の原木が数本大波で養殖池に入って来る程の激しさで、
なすすべもなかったとの事もあるし、又約15年前に行政の依頼で稚エビを提供し自社近くの羽地内海に数十万尾
放流した事もありましたが、これを漁穫したとの報告はありません。
なぜ沖縄では長年数多くの車えびが海に放たれたにもかかわらず、なぜ天然ではほとんど存在できないのか。
これは車えびの生活史のサイクルのどこかで断ち切られてしまう、車えびにとって厳しい環境が横たわっているから
であろうと思われます。この条件、環境を具体的に調べる事も興味深い研究になる事でしょう。
なお周辺海域に車えびがいないという事は、病気を持った天然の車えびからの感染がありえないと言う事であり、
池を干して十分に消毒すれば病気対策しやすく、養殖面においては有利になると考えられます。
クルマエビの分類的位置
車えびは学術的に表記する場合はカタカナで、和名「クルマエビ」と書かれ、世界共通の学名では
「Penaeus japonica(ピーナエス ジャポニカ)」と呼ばれます。
クルマエビの分類上の位置は下記の通りとなっています。
節足動物門
(ARTHROPODA) —– 他に昆虫類、くも、ダニ類などがいる。
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甲殻網
(CRUSTACEA) —— 他にミジンコ類、コペポーダ類、などがいる。
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十脚目
(Decapoda) —— 他にイセエビ類、カニ類、ヤドカリ類などがいる。
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クルマエビ科
(Penaeidae) —— 世界に14属、約120程いる。
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クルマエビ属
(penaeus ) —— 世界に約28種いる。ウシエビ(ブラックタイガー)、コウライエビ、クマエビなど。
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クルマエビ
(Penaeus japonica) —— 温帯域まで分布し、砂底質に適応した種。
何故クルマエビがおがくずの中で生きていられるのか?
クルマエビ属は28種程確認され、沿岸部に多く生息し成長が速く大きく育ち、量産する事から水産上重要なのが多いです。
クルマエビ属は熱帯地域の河口域で発生したとみられ、沖合いで産卵されるが、幼生や稚エビは潮に乗って河口、
汽水域へ移動してそこで成長し、若エビになると成熟しながら沖合いへ移動し産卵する生活史を繰り返します。
この属でもクルマエビは水温の低い温帯域にも生息域広げ、泥よりむしろ砂底質を好み、砂に完全に潜る
習慣に進化してきたユニークな種と言われています。
干潟で取り残された場合、次もしくは2日目以降の潮が満ちて来るまで砂の下でじっと待っていける能力を備えています。
殻の下のエラが湿っていれば、水没していなくても数日は生存できる能力を持っています。
この能力に目をつけてオガクズに詰めて輸送するようになったわけです。
最近はオガクズと比べて散らからず、軽いことでシート(紙おむつと同様の素材)でくるんで輸送する事もあります。
なお、クルマエビをおとなしくさせる為、温度を下げる(8~15℃)と体力を消耗させず、長く保存できます。
余談ですが、約25年前3~4歳を連れて大学時代の友人(ノリの養殖とアサリ漁をやっている)が住む千葉の
木更津の干潟へ潮干狩りへ行きました。アサリが主でしたが車えびが1尾砂からピョンと出てきました。
尾先が青く美しく、子供もはしゃいでいました。この時初めて車えびに対面したのですが、数年後に自分が車エビ
養殖に取り組むとはまったく予想していませんでした。
人生何がどうなるのかわからない物ですね、以上は社長の座間味のレポートでした。
よくある質問でブラックタイガとは何が違うのかというのがあります。
ブラックタイガー、和名でウシエビといい主に東南アジアを中心に養殖されて,
日本に冷凍輸入されています。名前の由来は虎模様に似てるところからきてます。
スーパーでみかける頭なしの冷凍えびのほとんどがこれだと思います。
まずクルマエビと比べて価格ははるかに安いです。
そこで私達の冷凍クルマエビ500g(約25尾入り)1500円と、
スーパーで買った冷凍ブラックタイガー(14尾入り)450円を食べ比べてみました。

左がクルマエビ 右がブラックタイガー
クルマエビと比べてブラックタイガーは一回り大きいです。
湯がいてみると赤さはブラックタイガーの方が赤く、普段レストランなどで食べるエビチリのエビです。
写真ではわかりずらいのですがしま模様がはっきりして出ているのはクルマエビでした。
味は個人的になるのですが、ブラックタイガーはクルマエビにくらべてエビの風味や歯ごたえなど
がややあわい感じがします。クルマエビのほうがエビの味が凝縮されていると思います。
でもこればかりはやはり自分で育てたえびなのでどうしてもヒイキしてしまうかもしれません。
なので皆さんも一度食べ比べてみてはいかがでしょうか。
その時はぜひ味の評価を教えていただければ幸いです。
ブラックタイガーといえば年に1~2尾は僕等の養殖場でも収穫網にかかってきます。
理由は天然のブラックタイガーの卵か稚エビが注水ポンプで吸い上げれて成長したものと思われます。
こういう事から天然の車えびは沖縄にいないようですが、ブラックタイガーはいるという事でしょうか。
車えびに与える高級な餌を食べるので大きくなってます。車えびの20本サイズと比べても2回り程大きいです。
しかし車えびに見慣れているせいか仮面ライダーの悪役怪人にしか見えないですが。

クルマエビの成分表(可食部 100g 当たり)
科学技術庁資源調査会 編
| 食品名 | エネルギー kcal |
水分 g |
タンパク質 g |
脂質 g |
炭水化物 g |
灰分 g |
ナトリウム mg |
カリウム mg |
カルシウム mg |
マグネシウム mg |
リン mg |
鉄 mg |
亜鉛 mg |
銅 mg |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 車えび(生) | 97 | 76.1 | 21.6 | 0.6 | Tr | 1.7 | 170 | 430 | 41 | 46 | 310 | 0.5 | 1.4 | 0.42 |
| 車えび ゆで | 124 | 69.3 | 28.2 | 0.5 | Tr | 2.0 | 200 | 500 | 61 | 57 | 390 | 1.1 | 1.8 | 0.62 |
| 車えび 焼き | 103 | 74.4 | 23.5 | 0.4 | Tr | 1.7 | 180 | 400 | 55 | 49 | 330 | 1.0 | 1.6 | 0.58 |
| 食品名 | レチノール ug | カロテン ug | レチノール 当量 ug | ビタミンD ug | ビタミンE mg | ビタミンK ug | Thiamin B1 mg | Ribo flavinB2 mg | ナイアシン mg | ビタミンB6 mg | ビタミンB12 ug | 葉 酸 ug |
| 車えび 生 | 0 | 49 | 8 | 0 | 1.8 | 0 | 0.11 | 0.06 | 3.8 | 0.12 | 1.9 | 23 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 車えび ゆで | 0 | 56 | 9 | 0 | 4.0 | 0 | 0.09 | 0.05 | 4.5 | 0.08 | 2.0 | 17 |
| 車えび 焼き | 0 | 53 | 9 | 0 | 3.1 | 0 | 0.11 | 0.05 | 3.6 | 0.08 | 2.3 | 15 |
| 食品名 | パントテン酸 mg |
ビタミンC mg |
脂肪酸 飽和 g |
脂肪酸 一価不飽和 g |
脂肪酸 多価不飽和 g |
コレステロール mg |
食物繊維 水溶性 g |
食物繊維 不溶性 g |
食物繊維 総量 g |
食塩相当量 g |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 車えび(生) | 1.11 | Tr | 0.08 | 0.05 | 0.12 | 170 | 0 | 0 | 0 | 0.4 |
| 車えび ゆで | 1.07 | Tr | 0.06 | 0.05 | 0.11 | 240 | 0 | 0 | 0 | 0.5 |
| 車えび 焼き | 1.06 | 1 | 0.06 | 0.04 | 0.09 | 200 | 0 | 0 | 0 | 0.58 |
![]() | 受精卵直径0.26~0.28ミリ 産卵後、水温が26~28℃の場合約30分で第一分裂が始まり 約13~14時間でふ化し、海水中に浮遊します。 写真をクリックすると拡大写真がみられます。 |
| ノープリウス期 体調約0.3~0.5ミリで6回の脱皮を行い、ゾエア幼生となる。 この間は卵黄を吸収するため摂餌は行いません。 写真をクリックすると拡大写真がみられます。 | |
![]() | ゾエア期 ゾエア期は体調0.9~2.5ミリで1~3令まであり、水温26~28℃の場合3~4日すると ミシス幼生となります。ゾエア期にになると主に植物プランクトンを摂取し、糞を引きながら 触覚を用いて盛んに泳ぎ回ります。 写真をクリックすると拡大写真がみられます。 |
![]() | ミシス期 ミシス期は体調2.8~4.5ミリでミシスになると動物プランクトンを主に捕食し、歩脚を用いて 跳ねるように遊泳します。ミシス期も1~3令あり、水温26~28℃の場合3日でポストラバーに変態します。 写真をクリックすると拡大写真がみられます。 |
![]() | ポストラバー期 ポストラバーになると形態的に成体とほぼ同じとなり、遊泳肢を用いて水平的に遊泳します。 ポストラバーは毎日のように脱皮、成長し、変態後15日を経て体調が1センチ程度になった種苗を各池に放流します。 写真をクリックすると拡大写真がみられます。 |
![]() | 成体 養殖池へ放養した稚エビは配合飼料を与えられ7月に池入れした場合、早いもので10月 頃から出荷サイズとなり翌年の6月頃までかけて市場等へ出荷されます。 クルマエビは夜行性で昼間は差泥中に浅く潜りますが、夜間は砂上に泳ぎ出て自然界ではゴカイや貝類を捕食します。最大体長300ミリ、通常は150~200ミリです。 写真をクリックすると拡大写真がみられます。 |






